規模・構造設備の基準について
(1)建物は、建築基準法に規定する耐火建築物又は準耐火建築物とする。
(2)建物には、建築基準法、消防法等に定める避難設備、消化設備、警報設備その他
事故・災害に対応するための設備を設ける。また緊急通報装置(ナースコール等
)を設置し、入居者の急病等緊急時の対応を図る。
(3)建物の設計は、入居者の身体機能の低下や障害が生じた場合にも対応できるよう 配慮する。また、建物の配置及び構造は、日照、採光、換気等利用者の保険衛生
について十分配慮する。
(4)居室については以下のものを設ける
@ 一般居室
A 介護居室
B 一時介護室
※A、Bについては、一般居室で介護サービス(一時的な介護サービス)が
提供される場合又は有料老人ホーム自ら介護サービス(一時的介護サービ
ス)を提供しない場合は設置不要。
(5)以下の設備については、居室内に設置しない場合は全ての入居者が利用できる
ように適当な規模及び数を設ける。
@ 浴室
A 洗面設備
B 便所
(6)有料老人ホームが提供するサービス内容に応じ、次の共同利用設備を設ける。
@ 食堂
A 医務室又は健康管理室
B 看護・介護職員室
C 機能訓練室(適当な広さが確保できれば専用室でなくても可)
D 談話室又は応接室
E 洗濯室
F 汚物処理室
G レクリエーション等を行うための施設
H その他事務室、宿直室等運営上必要な設備
(7)各設備の面積等基準について
@ 居室
・原則として個室
・1居室の床面積は13平方メートル以上(札幌市の場合)
・各個室は建築基準法第30条の規定に基づく界壁により区分する
・地階への設置は不可
・1以上の出入り口は避難上有効な空き地、廊下又は広間に直接面している
こと
A 食堂
・入居定員に応じた広さ(車いすでの利用も考慮)、座席数を確保する
B 医務室
・医務室を設置する場合は、医療法施行規則第16条に規定する診療所の構造
設備の基準に適合していること
C 浴室
・要介護者が使用する浴室は、身体の不自由な者が使用するのに適したものと
する
D 便所
・要介護者が使用する便所は、居室内又は居室のある階ごとに居室に近接して
設置する。(緊急通報装置等を設置すること)
E 廊下
・すべての居室が個室で、1室当たりの床面積が18u以上(バルコニー面
積除く(壁芯法による))でかつ、居室内に便所及び洗面設備が設置され
ている場合
→ 廊下幅は1.4m以上(中廊下幅は1.8m以上)
・上記以外の場合
→ 廊下幅は1.8m以上(中廊下幅は2.7m以上)
F 手すり
・廊下(両側)、階段(両側)、浴室、便所、エレベーター等に設置する
G ナースコール等通報装置
・居室(居間、浴室、便所)、浴室、一時介護室、エレベーター等に設置する
H エレベーター
・設置されたエレベーターのうち、少なくとも1基はストレッチャー対応と
する
I スプリンクラー
・消防法に定めるところによる
既存建物等の活用の場合の基準等特例について
(1)既存の建築物を転用して開設される有料老人ホーム又は定員9名以下の有料老
人ホームについて、建物の構造上前述(7)の基準を満たすことが困難な場合
には、次のいずれかの基準を満たす場合、当該基準に適合することを要しない。
@ 次のア〜ウの基準を満たすもの
ア すべての居室が個室である
イ (7)の基準を満たしていない事項について、重要事項説明書又は管理
規定に記載し、その内容を適切に入居者に対して説明すること
ウ 基準未達の事項について、代替措置を講ずることにより、基準を満たし
た場合と同等の効果が得られると認められること、また、将来において
基準未達の事項について、基準に適合させる改善計画を策定し、入居者
への説明を行っていること
A 建物の構造について、文書により適切に入居者又は入居希望者に対して説明
しており、外部事業者によるサービスの受入や地域との交流活動の実施など
により、事業運営の透明性が確保され、かつ、入居者に対するサービスが敵
切に行われているなど、適切な運営体制が確保されているものとして市長が
個別に認めたもの。
(2)次の各号のいずれかの基準を満たす、「木造」「平屋建て」の有料老人ホームで
あって、火災に係る入居者の安全性が確保されていると認めたものについては、
耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。
@ スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、
調理室等火災の発生する恐れがある箇所における防火区画の設置等により
、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること
A 非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されてお
り、円滑な消火活動が可能なものであること
B 避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等
により、円滑な非難が可能な構造であり、かつ、避難訓練の頻繁な実施や、
配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な非難が可能であること
札幌市有料老人ホーム設置運営指導指針より抜粋